『會社は學校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』戀がビジネスの邪魔に。すれ違う祐介(野村周平)と智美(藤井夏戀)の結末は……

『會社は學校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』3話レビュー

 「私と仕事、どっちが大事なの?」という言葉は、戀愛における常套句とも言えるだろう。バラエティ番組などでも、議題にされているのを目にする機會が多い。しかし、仕事と戀愛を天秤にかけた時、簡単に一方を手放せる人は少ないはずだ。それでも、どうしても選ばなければならない局面に直面したとしたらーー。ABEMAオリジナルドラマ『會社は學校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』では、究極の選択を前にもがく若者たちの姿が描かれた。

 祐介(野村周平)と、智美(藤井夏戀)は誰もが認める理想的なカップルだった。理想家の祐介に対して、智美は現実主義者。大學卒業後の進路にも、その違いが大きく表れている(祐介は起業をして、智美は企業に就職をした)。正反対の要素を持つ2人だからこそ、お互いのことを尊敬して、勵まし合うことができたのだろう。とくに智美に関しては、自分が追えなかった夢を祐介に託しているようにも見えた。

 狀況が一変したのは、智美がサイファークリエーションの子會社「C-LIFE」の社長に就任してから。D2C事業に參入した「C-LIFE」と、祐介の會社「FIND VALUE」は、何かとライバル関係になることが多い。企業へのプレゼンや工場の確保など、敏腕社長?鉄平(三浦翔平)の傘下に入っている智美は、いつも勝利を収めてしまう。祐介に、「この前のプレゼン、すごかったね! あんな右腕がいるなら、智美の會社は大丈夫だよ」と言われても、智美は「ごめん」と返すことしかできない。祐介のように、仕事と戀は別だと割り切れたらラクなのかもしれないが……。

 だが、智美にも徐々に社長としての自覚が芽生え始める。祐介に頼まれて、買収後も「鶴鞄」の専務?吉野(春海四方)を雇うべきだと鉄平に持ちかけた時のこと。鉄平は、吉野を雇いたいのなら、「C-LIFE」の社員を全員クビにするしかないと答えた。ここで智美は、「吉野を取るか? 部下を取るか?」の選択を迫られたのだ。ある意味では、「戀を取るか? 仕事を取るか?」の二択でもある。そこで智美は、「部下」つまり「仕事」を選んだ。

 その後も、祐介の會社が注文を入れた工場「グッドマン」と獨占契約を結んだり、どんどん“勝負師”の顔になっていく智美。「グッドマン」の社長にかけた「仕事をする上での美學。それを求めることができるのは、ビジネスが最低限成立した上でのことじゃないでしょうか?」という言葉は、ほかでもない自分に言い聞かせたのではないだろうか。今は、會社のことを第一に考えなければ、と。

 やっとの想いで結んだ「グッドマン」との契約を、智美のせいで壊されてしまった。それでも、祐介は怒らない。「しょうがない。智美は、社長として當たり前のことをしただけ」と一生懸命笑顔を作って。思えば、この笑顔は彼の精一杯の強がりだったのかもしれない。智美の會社にチャンスを奪われると、祐介はいつも「しょうがない。會社は學校じゃないんだから」と言っていた。そう言われるたびに、智美は寂しさを感じていたのだろう。「なんで、なにも言わないの?」「なんで、なにも怒らないの?」という問いかけには、怒ってほしいという想いが潛んでいるように見えた。普通の戀人ならば、きっと「ひどい」と思うはずだから。



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